仔猪のばら肉と鹿の背ロースで、だご汁

今回は、だご汁です。
仔猪の脂たっぷりのばら肉と、脂のない鹿の背ロースを使います。

だご汁
猪のばら肉と鹿の背ロースで、だご汁。

煮干しのだしで、生シイタケ大6つ、玉ねぎ2個、人参2本、大根1/3本、シメジとえのきそれぞれ1パック。
あとは薬味に青ネギを散らします。

仔猪のばら肉は、半身を3枚に切り分けたものを、1㎝幅に。鹿の背ロースは、1㎝の厚さで25㎝ほど使います。

 

団子は、耳たぶくらいの固さに水で練った小麦粉(強力粉)を薄く2~3㎝の幅で、味噌を加えて鍋に、食べる直前に入れていきます。2分くらいで団子が浮いてきたら食べごろです。

仔猪の脂身は、とても上品で甘くぷりぷりしています。鹿肉も柔らかく仕上がって、肉が多いので食べ応えもあります。ぜひ試してみてください。

21日目

さすがに毎日いつもの猟場では限界がある。

初日から二週間は、良く猪や鹿に出会う。
でもそこから出会いの数が急減していきます。

そこで、今日は昼前から、昔から地元の人たちが猟に使っている谷へ。
初めて行く場所なので、携帯の地図&GPSソフトを早めに起動しておく。

沢沿いの道を上がった後、なだらかに左右に曲がる林道を登ること40分。
山が高くなるについて、沢が深い谷になっていく。
V字の谷、両側30m。

麓から高さ150mくらいまでは、高い杉の林。
200~300mの高さは、広葉樹の高さ3mほどの細い灌木がそれに加わる。
谷に沿って上がっていくと、バキッと大きな音がした。

パキ、パキッ。

鹿がいる。谷の下の方から音がする。
50m前からも、枝が踏みつけられる音が。そして数分後には50m後ろから、こぶし大の石がゴロゴロ落ちていく音まで。

3匹?

落ち葉や杉の枝が足元には積もっている。前には50㎝~1mの高さの木々が枝を広げていて、前にも後ろにも動けず。
音がする度、前や後ろ、そして横を睨む。

けれども、谷は深く、水の流れる底は見えない。しかも日光がこちらへ向けて差しているため、逆光で見ている方は暗く、音だけが頼り。

辛抱、辛抱。

でも15分が限界でした。
前方の大きい音は、だんだん遠ざかる。
横と後ろの音は、たまに小さくパキッとするくらい。

横と後ろの音は気のせい?
(そんな訳はないんだけど、辛くなると好きなように考えてしまうのね)

思い切って、前の音を追うことに決める。
音は最小限にしているつもりでも、枯葉や枝を踏む音は出る。
5歩も進まないうちに、

ピー!

谷川を挟んで、真横で鹿が鳴いた。
でもいくら薄暗い谷を睨んでも、周りを見ても何も動かない。

(後日、山をもっと歩き出して分かったのだけれど、深い谷のせいで、その上や反対側にいた鹿の鳴き音が響いていたようです。)

仕方がないから、まっすぐ頂上を目指して、下草や3m前後の灌木を避けながら、高い杉山を登っていく。

途中、谷へ降りる所があったので、さっきの鹿を探してみる。
確かに足跡はある。

「でも、ほんとにこのV字の谷を登っていったのか?」
というくらい急斜面、というか壁に近い。

何とか足場になりそうな岩があるところを探して、落ちないようにその壁をよじ登る。

斜面に生える木を片手で掴み、石のそばに足を置いて一気上がろうとすると、

ゴトッ。ガラゴロ、ゴトッ。

50㎝くらいの大きな石を足で蹴落としてしまう。
ふっ~と息を吐いて、谷から右の山側へ出る。

灌木が濃くなるにつれて、猪の掘った穴や鹿の糞、足跡も濃くなっていく。
そのまま登っていくと、灌木の隙間から網が見える。

8合目あたりに鹿よけの網がしてあり、そこから上は2mほどの杉が植えてある。
その上には広葉樹の木々が見える。
右に行くと、なんと林道があり、左に行くと網が続く。

左へ行き、谷の上部を越えて向こう側へいくことにした。
そこから、少し下りながら奥へと進む。

山の斜面、尾根にも谷にも、立派な杉が見渡す限りに広がっている。
頂上部分に木や広葉樹が、僅かに見える。

尾根が一つ一つ谷で区切られ、杉林で上まで見通せる。
犬を使って、鹿や猪を上から追い出し下から撃つ、巻き狩りには絶好の場所。

でも、忍び猟には最悪でした。
150mも離れたところから、簡単に鹿に鳴かれてしまう。

ピー。
見通しもいいから、声もよく通ること。

小型のメス、2頭。可愛らしい白い尻が、上へ懸命に走っていく。
鹿がいた高さまで登ろうと、右手に進路を変えて進むこと2分。

ピー。

今度は4頭。頂上付近を、米粒くらいのメスが右から左へ、灌木や岩に出たり隠れたりしながら、バタバタ跳ねながら走っていく。

米粒の大きさだけど、銃口で追いつつ、3度目に姿が見えれば撃とうと思っていると、3度目は無し。岩の後ろへ行ってしまった。

口惜しいので、やっぱり鹿がいたところまでそのまま登る。
大きな岩を超えると両側の谷を見渡せる場所で、15分じっとして待つ。

フードを被っても、ときどき吹き抜ける風が冷たい。
もう駄目。性格的にも、じっとしていられない…。

一番大きな谷を中心に、大きく弧を描くように元来た場所へ降りていく。

尾根を越える毎に、沢がある。
杉の丸太の一本橋が掛かっている。しかも半分、いや三割腐りかけ。

長さ3m。微妙な距離。

一歩足を進めると、パキ。メキッ。
折れたら、下のあの岩へ飛び移ろうと考えながら、また一歩進む。
半分まで来たら、もう一気に走る。つもりで、急ぎ足。

いや~、折れないでよかった。ほんとに。

もう斜面を大きな足音を立てながら、斜めに歩いていく。
どんどん下る。

 

攻め方を変えれば、確かにここはいい場所かも。
一番端の尾根から頂上まで上がり、横へ移動していけば、もしかしたら、灌木の間から鹿は撃てるかも。ただし、先に鹿に見つからなけれの話だけど。

今日は、4時間半。ちょっと緊張した。
平均斜度45度。
ときどき、杉の枯れ枝や落ち葉に隠れた穴にすぽっと落ちる。
それでも、杉林は降りやすい。登りやすい。

20180126

19、20日目

19日目
快晴。
登ると風が強い。7~8m/sはある。

今日初めて、鹿のほやほやの糞を見つけた。
その鹿をみることはできなかったけど、足音だけ。

狸のフンに形は似て、大きさはそのちょうど半分くらいの新鮮なやつも。
やっぱり姿は見れず。

尾根や頂上では、昼になっても霜柱が元気で立っている。
谷から吹き上がる風も、時折吹いてくる横からの風も冷たい。
山に8時間半。

次の山は30分の下見。
さぁ、明日は1時間早出で行こう!
20180125

20日目
今日も快晴、頂上付近は10mを超す風。
昨日とほぼ同じコース。

途中は、山の頂上を避けて、八合目あたりの鹿の通いを追う。

けれども、風が葉や木々を揺さぶる音で、動物の動きは全く掴めず。
姿も見ず。

唯一、動物が動く音を聞いたのは、
周回の3/4を過ぎた下りの尾根に15分ほど潜んだ時。

20m先の尾根向こうから、ガサッ、ガサッと音が上がってくる。
大木の根元に潜んでいたが、足元は枯葉と枯れ枝が幾重にも重なっている。
動けば、すぐにバレる。近づきたいのをじっと堪えて、こちら側へ来てくれるのを待つ。

哀しい哉。音は向こう側へ遠ざかっていく。
しびれを切らして、出来るだけ音を立てないように足の裏全体でゆっくり上から落ち葉や小枝を踏みつつ忍ぶ。
体は飛び出した葉っぱや枝に触れないように右に左に下に。

やっとたどり着いた尾根からは、動くものは何も捉えることはできず。
ほんの15秒前にはいたばずなのに…。

耳が冷たい。鼻は出っ放し。
それでも、山は気持ちがいい。
20180125

18日目(雨と雪と霧)

東京は大雪の予報。

ちょうど一番奥から2番目の沢へ入り、
頂上の尾根の道へ向かって2時間たったころ
小雨がぱらついてきたと思っていたら、雪に。
そして、段々ぼた雪、霙になり強くなってきた。

雪の中の狩り
雪が降ってきました。

雨や雪になれば、動物たちも油断して絶好の猟日和かと思いきや、
雨と雪が落ち葉をたたく音で、まったく動物の動きが分からない。
また、靄もでてきて10~20mより先は、視覚にも頼れない。

湿って踏んでも音が小さくなった
落ち葉や小枝をゆっくり踏みながら、とくかく歩くと決める。
時折、動物たちの音を探すが、耳と目で確認できるのは、キジバトやシジュウカラくらい。

霙(みぞれ)に近いぼた雪がだんだん強くなっていく中、
防水の手袋ゲーター登山靴、皮のジャケット(+インナー3枚)、猟友会のベストとオレンジのニット帽で、水濡れと寒さは大丈夫だったので、大木の横や岩場の下で止まり、時には5分ほどあたりをしばらく伺いつつ、また進むも何も動かず。鳴かず。

8時~2時まで6時間、1頭の鹿も猪もリスも野うさぎも猿も見ずに終わる。

雨と雪の日の動物の動きを知りたくて、
どきどきしながら谷から尾根、尾根から谷へと何度も渡るも、いつもの猟場では成果なし。

せっかくいい機会。
もったいないので、車で15分ほど移動して、別の大きめの沢のあたりへ。
15分ほど、沢沿いを上ったとき、

ブーッ。と小さい声が右手から。
振り向くと、ウリ坊から縞がやっと消えたくらいの仔猪が二匹逃げ出していく。

一瞬で銃を構えて、後ろの仔猪へ狙いをつけつつ、引き金を引く。

ウッ。

安全子が、そのまま。
「うわっ、やっちまった」と思いつつ、
安全子を人差し指で押して、灌木の奥へ逃げるところへ一発…。

はずれ。
最初の狙い通りなら、確実に当たったのに!

沢沿いの小道から走って後を20m追うも、灌木の向こうで見失う。
強い霙のため、音も拾えず。

口惜しいけど、親も近くにいるかもと自分をなだめて
沢沿いの小道に戻り、20分登る。

沢を流れる水の音、霙の音が続く。
先ほどの仔猪の食んだ跡なのか、新しい食み跡が5か所あった。
濡れた落ち葉で、足跡は見つけられず。

小道は、崩れてきた5~60㎝の石で塞がれていたり、
急斜面になって道がなくなったりしながら、沢を二つ越えて、まだ続く。

急斜面を登ったところで、進むのをやめて、右斜面へ上る。
そのまま登りつつ、来た道の30mほど上の通いを通ってきた方向へ戻ることに。

帰り際に、上で逃がした仔猪と出会わないかな~、なんて思いながら。
小一時間ほどかけて戻るも、成果なし。

雨、雪、霙。
動物に気づかれず良いかと思っていました。けれど、人間に不利でした。
でも、徳島南部用の装備は正解。ちょっと安心しました。

20180122

鹿肉ジャーキー

今回は、鹿肉の端肉(3kg弱)を主に使い、ジャーキーにします。

1.漬けだれを作ります。

塩50g、テンサイ糖60g、醤油200㏄、ゆず酢40㏄、赤ワイン200㏄、にんにく小5片、生姜1かけ、黒コショウ。
お好みで上記の醤油とにんにくを、ニンニク醤油とニンニク醤油漬けに変えてみたり、自家製味噌やヨーグルト、ゆずの皮などを入れてみたり。
肉を入れた後でも、様子を見ながら塩や醤油などを足せますので、分量や調味料はお好みで変えてください。

2.肉を繊維を断ち切るように切ります。

鹿肉ジャーキー準備切る
鹿肉を1㎝弱の薄さに切る

1㎝ほどの薄さに切っていきます。端肉なので、すでに小さいものはそのままでOKです。生肉が切りにくいときやスジ肉も多いときには、予め冷凍しておき、前日に冷蔵庫に移しておけば、朝には半解凍となり、ぐっと切りやすくなります。

 

3.肉をたれに漬ける。

鹿肉ジャーキー漬け
スジ肉も小さい肉もまとめて漬けて

切った肉をたれに入れ、よく混ぜます。あとはラップをして、冷蔵庫で3日漬け置きします。ときどき、混ぜると良く味が馴染みます。

 

 

 

4.干す(もしくは、スモークに)

鹿肉ジャーキー冷蔵庫
冷蔵庫で3日間

漬けこんでおいた鹿肉を干し網に移します。
または、スモークが好きな人は、干す前にスモークするとよく香りが入ります。

ここで、塩辛い方(濃いめ)が好みの方は、そのまま。
最後に良く乾燥させる方、「ジャーキーはカチカチ」派の方も、そのままで大丈夫です。

柔らか目に仕上げたい方や塩分が気になる方は、1度水でタレを洗い流します。
薄味が好みの方は、30~60分ほど水につけて、塩出しをします。

この時、焼いて味を見てから、調整するのもお奨めです。それで塩梅がよければ、そのまま。塩や味が濃い過ぎるときには、もう少し塩出しをしてください。これがジャーキーの味を決めます!

アオリイカ一夜干し
アオリイカ一夜干しをどけて

それから、鳥や猫を気にせず放っておけるので、干し網に入れます。
まず、先客のアオリイカをどかしてから(笑)。

ジャーキーはカチカチ派の私は、タレから出して、皿の上に広げたキッチンペーパーの上に一度載せて、ざっと水気を切るだけ。

 

鹿肉ジャーキー干す
鹿肉ジャーキーを干し網に

あとは、干し網に広げていきます。
タレが垂れてくるときは、新聞紙を下にひいてから。
ニンニクやワインのいい匂いが広がります。
後は干上がるのを待ちます。

 

 

5.スモークします

鹿肉干して4日目
4日間でぐっと引き締まりました:)

4日目に鹿肉を干していたことを思い出しました!
急ぎでなければ、この工程で10日間ほど干すとさらに美味しくなります。
くっついているものは引き剥がし、裏返して一日。
ここで鹿の干し肉なら完成。
この干し肉をスモークすれば、晴れて鹿肉ジャーキーになります。

柔らか目のジャーキーが好みの方は、数時間や1時間ほど干してから、チップ無しで熱風を30分~2時間当てた後、2時間スモークして終了です。
スモークした後さらに、寒日で1週間ほど日干してカチカチにすれば、噛めば噛むほど味も出て、保存にも最適です。

さて、作業の続きです。この干し肉を竹串に刺していきます。自分の指を刺さないように注意してください。痛いので(笑)。

竹串
竹串をつくる

竹串は、田舎では近くに売っていないため、家にあった真竹で、鉈を使って削り出します。7本10分ほどで完成。長さは、スモーカーにする段ボールの箱から両側がでるくらいにします。また、両端は肥後守を使って、肉が刺さりやすいように尖らせます。

 

 

竹串に刺す
竹串に刺す

竹串に、どんどん刺していきます。肉片が小さいときには、竹串もやや細めにしてください。細すぎると固く干した肉を干すときに、折れてしまいます。

 

 

 

段ボールスモーカー
段ボールで作ったスモーカー

次は、スモーカー作りです。といっても、段ボールの底を丸くくり抜くだけ。そこに、片面に外から串の数だけ穴を掛けます。竹串の一方をそこへ差し込み、反対側の端は、段ボールの壁に刺していくだけです。段ボールの口は、ガムテープで軽く閉じます。

 

 

段ボールを乗せる
段ボールをフライパンの上に乗せます。

フライパン(または中華鍋)にアルミホイルを一枚敷き、その上にウッドチップ(ヒッコリー/オニグルミ)を 茶碗二杯分くらいのせます。そのフライパンの上に、自家製スモーカーを直接乗せて、初めはやや強火で。

チップを乗せる前に、1~2時間ほど熱だけで乾燥させても美味しくなります。

 

煙が出始めたら弱火で二時間。途中で様子を見ながら、チップが7割方黒くなったら、チップを足していきます。串も180度回転。くれぐれも、段ボールを燃やさないように、傍にいてください。

鹿肉ジャーキー出来上がり
鹿肉ジャーキーの出来上がり

これでも、中はまだカチカチではありません。まだ、程よく柔らかくなったままです。これを2~3日寒日で干せば、カチカチジャーキーが出来上がります。干せば干すほど美味しくなります。

 

 

 

ジップロックに入れて終了
ジップロックに入れて終了

居間のこたつの上に置いておいたら、2日でなくなりました!これは子供達にも、大好評でした。お奨めです!

大久保鍛冶屋さんと刃物の話

猟や解体、調理には、いい刃物が不可欠です。
そこで、手打ち刃物を作っていらっしゃる鉄の匠、大久保鍛冶屋さんにお話を伺いました。

大久保鍛冶屋さん
大久保鍛冶屋さん

刃の研ぎ方

片刃の刃物は、表が鉄、裏に鋼がついています。表の鉄の部分を研いで、鋼を出すことで切れ味が戻ります。表を9割研いだら、裏を研ぐのは1割。その1割も表を研いだことで出た「まくれ」を落とすため。表を研いだときに、刃に直角に指をあてるとザラザラした引っ掛かりができます。それが「まくれ」です。

通常、刃は自分の方へ向けて徳碁のですが、その「まくれ」を研いでとるときにには、刃を自分と反対方に向けて、砥石に対して垂直に置きます。そして、刃先に角度をつけず、べたっと砥石につけたまま、表で研いだ回数の1割の数だけ研ぎます。

両刃の刃物は、表と裏の鉄の間に鋼が入っています。そのため、表と裏は同じ回数だけ研ぐこと。一方だけを多く研ぐと、「鉛筆を一方からだけ研ぐと、やがて芯がなくなり木の部分だけが残り、書けなくなるのと同じ」で、両刃の刃物もやがて全く切れなくなるとのこと。

重要なのは、砥石に刃を当てる角度

砥石に充てる刃の角度は、まず刃物をを砥石に寝かせて、刃の部分に出来る隙間を刃物を起こすことで埋める。その数度の角度を保ち、研いでいくこと。

砥石に刃物を当てる角度が30~40度くらいだと、刃が鋭くならず(鈍角の刃先になるため)またすぐ切れなくなってしまいます。

また、一度に刃全体を研ごうとせずに、2cmずつ研ぐつもりで。

実際、事前に研いで頂いていた刃物で切ってみると、包丁を落とすようにすっと切れたのは驚きでした。

「包丁が切れると料理がおいしくなるから、料理を褒められて家庭円満になり、人口も増える。人口の減少は、良い包丁が止めてくれます(笑)」とのこと。

しかも30年は持つので、昔は嫁入り道具として両親が娘さんに贈ったそうです。
だから、子供も多かったのか。

剣鉈

近々、お店に伺って作業場を見せていただく共に、血抜き用や留めさし用に八寸の剣鉈を購入する予定です。いろいろな刃物や実際作っていらっしゃる作業場を見せてもらうのを楽しみにしています。

また、写真などと一緒にご紹介させて頂きます。

鹿肉シチュー

鹿肉600gでも、肉が縮んで大人8人前くらいになります(ルクルーゼ26㎝の鍋8分目)。写真の例は、玉ねぎ1個、ニンジン2本、じゃがいも4つ、ブロッコリー1株。きのこ類などもお好みで。

鹿肉シチュー
鹿肉シチュー

赤肉に、スジ肉や腱を一緒にいれても、普通に料理する間に、子供達でも噛み切れる柔らかさになるので、お好きな方はぜひ入れてみてください。

写真は、ビーフシチューのルーのため、カレーっぽく見えますが…。

皮なめし(鹿編)

一日目
マダニ対策のため、野外で保冷剤を入れたバケツに入れておいた鹿の皮を水洗いします。
たらいにつけて、流水で10分ほど。
よごれやダニと毛などもしっかりと洗い落します。

長靴、手首まであるぴったりするビニール手袋、長袖長ズボン、スパッツや靴下でズボンと足に隙間ができないようにして下さい。

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SFTS
日本紅斑熱予防に、作業中はもちろん、作業後もマダニには注意が必要です。山に入ったり、農作業後、二週間以内に、38度以上の熱や水様性の下痢の時、かゆみのない赤い斑点が体に出たときには、すぐに病院へ。犬や猫に噛まれた後でも、SFTSに感染した例が出ています。
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鹿皮そうじする前
鹿皮そうじする前

肉の5㎜ほどの層がついたままになっています。
これをこそぎ落としていきます。
鹿の皮はしっかりしていて、肉も剥げやすいので皮はぎナイフなど、あまり切れすぎないナイフであれば、ナイフと皮の角度は30~45度くらいで、少し強めにナイフを当てても、皮が切れることなく肉が取れていきます。

竹や丸太、台車の持ち手の鉄パイプ部分などにぶら下げてやるとスムーズにできます。

鹿皮なめし作業中
近くから見ると
鹿皮なめし
鹿皮そうじ後全体

まだ、端のところの脂、白や透明のスジっぽいところが残っているので、翌日の仕上げ前に再度きれいにします。
保冷剤を入れたバケツへ戻し、蓋をしておきます。(最低気温は5度、最高気温は12度)

 

二日目
仕上げで、端の脂や全体のスジを取り除きます。そして再度、流水で水洗い。
このとき毛の部分だけ、シャンプーや石鹸で洗ってもOKです。

木の棒などに掛けて、陰干し2~3時間ほど。

鹿革なめし干し上
鹿皮影干し

鹿皮なめし干し

 

 

 

 

 

毛の部分が乾いてきたら、新聞紙4枚重ねの上に、鹿皮を乗せて皮の内面に生ミョウバンをまんべんなく擦り付けます。

鹿皮なめしにミョウバン
生ミョウバンを擦りつけた後
鹿皮なめし生ミョウバン
すでに新聞に水が…

 

 

 

 

 

生ミョウバンをまんべんなく擦り付けたら、新聞紙を4枚重ねて、くるくると巻く。ゴミ袋に突っ込んで、10日程保管します。

鹿皮なめし新聞紙に挟む
鹿皮を新聞紙でサンドイッチ
鹿皮なめし新聞紙ロール
鹿革を挟んだ新聞紙をくるくる

 

 

 

 

 

猪の皮なめしの時は、3時間ほど乾かしてから、粉の生ミョウバンを擦りつけたのですが、手洗いした後10分ほどでタオルで毛皮を拭いて、すぐにミョウバンを擦りつけました。
そのため、猪のときはカサカサな感じだったのに比べて、今回は水気が多く、しっとりとミョウバンは馴染みましたが、一方で新聞に水分が浸みてくるほどでした。さぁ、どうなるか?

四日目
やはり水分が出てきて、新聞紙の下半分が濡れてきおたので、新聞追加(6枚)して上から巻く。

七日目
時々、鹿皮を包んである新聞紙をひっくり返す。水分がまだ出てきているので、今度は新聞紙を新しくして巻きなおす。カビもなく順調のようです。

十二日目
いよいよ新聞紙を外します。ミョウバンは粉状のままで、鹿皮も柔らかい。

鹿皮なめし開く
新聞を開いてみると
鹿皮なめし接写
ミョウバンを取り、近くで見ると

全体のミョウバンをナイフの背で払うように取り、皮から少し飛び出している膜、脂や身を切り取り、ざっと表面を整えました。

 

 

鹿皮なめしミョウバン取る
まず台に乗せミョウバンを取る
皮なめしミョウバン良くとる
鉄の棒に下げて削った後

台車の押手の鉄の棒にぶら下げてらにナイフの背で、丁寧に削り取ります。
その後、皮を全体的に伸ばして、皮が硬い部分に、生ミョウバンを水に溶かしたものを再度塗り込みます。

 

鹿皮なめし再度巻く
新しい新聞紙で巻く

新しい新聞紙で巻き、1週間ほど様子を見ます。

 

 

 

 

鹿皮内側
鹿皮をゴリゴリ伸ばす

すっかり鹿革のことを忘れていました!
10日以上たって、出してみると少しカビが出ている場所あり。急いでカビの部分やミョウバンを削り取り、テーブルの縁に当てて、ゴリゴリ伸ばします。足の先や皮の縁が硬くなっているので、特にゴリゴリ。強めに両方から引っ張りながら、上下に伸ばします。

 

鹿皮テーブル
なかなか柔らかい

テーブルの端に置いてみると、ぐにゃとなるくらい柔らかいのが分かるでしょうか。皮全体の縁の部分は、あまりミョウバンが効いていないためか少し硬い。足も含め、全体的に丸くして揉んだり、テーブルの丸い角に当てて、30分ほど強く伸ばしました。

気になったのは、やはり脂。皮の縁には、脂がそのまま。それほど多くはないですが、ナイフで切り取りました。

脂はカビやにおいの元になるので、やはり最初の段階で丁寧に取り除いておくとよいかもしれません。

それから、まだ内側が湿っているので、乾かします。

鹿皮釘付け
伸ばして、しっかりと釘づけします。

なかなか上手く行きませんが、できるだけ全体を伸ばして板に釘付けて乾かします。急激に縮まないように、陰干しで。
乾いて硬ければ、皮の内側に湿った布を当ててしばらく巻いた後、また柔らかくする作業を(繰り返)します。ヤスリをかけ整えたら出来上がりです。猪と違って毛もつやつやで多く、柔らかい。やっぱり、皮は鹿のほうがいいですね。

 

17日目(初めての鹿)

予報通り、朝から雨。
思っていたより強い雨のため、午前中の出猟は取りやめ。

12:00を前にして雨が止み、気温15度を超える。
太陽も顔を出して、明るくなってきた。

急いで昼食を済ませ、12:30には猟場へ到着する。
いつもの林道の一番奥から、沢の右側斜面へ向かうことにする。

沢の手前で、足元を見ると、なんと沢ガニを発見!
急な暖かさと雨で、春と思ったのか。
今日は、空気がぬるい。

沢の音も、いつになく大きい。
右の斜面を登り、時折、斜面を平行に進む鹿の通いを
通りつつ尾根を越え、反対の斜面から頂上を目指すことに。

ふと見上げると、かつては杉を出すときに使ったのか
幅50cmほどの古い道がある。
そこを通って、谷を八分目まで一気に上がる。

斜面にある通いには、1cm を超える鹿の糞が落ちている。

あとの二分は、シダの中にある僅かな獣道を慎重に上る。
雨の後のため、落ちている杉の枝や石をシダの中で踏むと滑る。

森は静か。
気温が上がっているので、霧も少し出てきた。

雨が上がったばかりなので、足跡は崩れほとんど判別不能だが、
いつもの猟場だし、こちらの足音も響かない方がいい。

霧から、靄(もや)に変わってきた。
動物が油断してくれるといいけど。

いつもの尾根の周回コース。
尾根近くにくると、上で風が鳴っている。
ゆっくり、尾根の左右に注意しながら、尾根にあがる。

静がでしっとりとした雰囲気。
南側から吹き上げる風のおかげで、足音が更に消される。
いつもは3~5mくらいに近づいた時に飛び立つ鳥も、
真下を過ぎて、やっと慌てて飛び上がるほど。

木漏れ日で、足音が明るくなってきた。
午後からの猟は、いつも動物と会う機会がぐっと減るけど、
午前の強い雨、そして雨の直後は、どんな動きをしているか。

◇尾根をゆっくり歩くこと小一時間。
動物がいそうな雰囲気は、すごくあるんだけど。

谷に入ってから3時間ほど経っても、
一向に足音も声もせず、姿も見えず…。
ただ、松の香りが強く漂っているだけ。

普段なら、ここからの下りの尾根は1時間ほどで降りてしまう。

立ち止まって、水を一飲み。
息を吐いて、下りへ向かう。

「滑らないようにせんとな」

急斜面を音を立てずに降りるのは、本当に難しい。
それでも濡れた落ち葉のおかげで、いつもの半分の大きさしかない。

パラパラと小雨が葉っぱを叩き出した。
森は少し暗くなってくる。

見上げると、雲はまだ薄く明るいが、雲の流れが早い。
「本降りになる前に下まで降りるか」

ここの下りは、細い灌木が多く、左右も下も見通しがきかない。
灌木の間に下りの道を探りながら、早足で降りていく。

突然5m下、左の灌木影から、全速力の鹿の群れが左から右へ抜ける。
1頭目は、一瞬で右の灌木に消えた。

考える間もなく、2頭目を撃つ。

激しく走る鹿と大きな足音。
そして、倒れる姿を右下に見ながら、
続けて3頭目、4頭目へも連射する。

急斜面で、どうやって態勢を保ったのかも分からないほど。
当たったのは、一発目。
弾は、首の後ろの背中から、反対側の下っ腹へ抜けていた。

この17日間、すべて先に鹿に気づかれた。
今日は、雨のおかげ。

20180118

神山森林公園イルローザの森

われら徳島探検部!~これは楽しい、神山森林公園イルローザの森。(#66)

この日は、ターザンの森で、アスレチックでした。
確か40ほどのアスレチックがあり、
大人も、真剣に楽しめます:)。

参りました。

逆に、真剣にやらないと落ちそう…。
小学生のお子さんには、サポートをしっかりつけて、無理をせず。

山を上がったり、降りたりするだけでも
心も体もすっきり。
子供たちも大興奮でした。

こりゃ、ここで遊んでたら、強くなる。

神山森林公園イルローザの森