16日目(猪二頭に逃げられる)

いつもの猟場。朝8時半、一番奥の沢左斜面から尾根へ取り付く。
今日は鹿1頭が目標。

出発はいつもより1時間送れ。
猟場一番奥の尾根についたのは3時間後でした。

歩き出して2時間後、尾根に辿り着く前、
腰まであるシダを抜けた林左手上部で1回、鹿の走り去る音。
尾根沿いを進んでいるとき2回は、
日陰の北側(谷の)で、それぞれ大型の鹿の走る音がした。

鳴くでもなく。どれも距離25m前後で、
私の進行方向とは逆の尾根や北の谷へ逃げていく。すべて鹿が風上。

藪と灌木が密に生えている場所で、こちらからは何も見えず。
鹿の動きや足音にも気づかずじまい。

一番奥の尾根では、新しい足跡、猪が食んだ跡も新しい。
午前中のもの。跳ねた土も、食み跡もはっきりして、まだ土の水分が乾いていない。

1時間早く、ここに到着していれば、出会った可能性が高かったかも。

でも、まだ近くにいることも考えられるので、
気を抜かず、ゆっくり、音を立てず進む。

環状になっている尾根のルート。
半分を過ぎて、出発地点(ゴール)が近づいてきた頃、
下りの尾根から南側15~20m下で、ガサガサと大きく藪が鳴る。

ふごっ。ふごっ。

60kgはありそうな、太い声がする。
しかも2頭。

しかし、藪と灌木が邪魔で全く見えず。
尾根の下は傾斜も急。また少し窪んでいて、余計に下が見難い。

ゆっくり立ち上がって、伸びをしても、左右に体をずらして見ても駄目。
まだ、声も音も大きいまま。

2分経ち、5分経ち、
ちょっとずつ、音が谷下へ進んいく。

焦ってきた。
(ここで一気に飛び出して、谷を下りつつ、勝負に出ればよかったかな~)

これ以上待っても、遠ざかっていくばかり。
待つのをやめて、2歩、3歩、4歩。

パリ、ぽきっ。
枯葉と小枝が積もる道を、そろり谷側へ進み出したその時、

フゴッ!

大きな声がして、一頭が右手へ走る。
もう一頭は、時折声を出しながら、谷の下へ。

「くうっ~。」

 

次は、猪に走られる前に走ろう。

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