自然はおやつがいっぱい!?
初夏は野イチゴ、しそ(ジュース)、秋は栗、アケビ、ムカゴ・自然薯、柿、ガマズミ、野イチゴ、やまなし、真葛(さねかずら)、銀杏etc.。冬だって冬イチゴがとれます。
栗や柿は猿と取り合い。アケビやガマズミは鳥と取り合い。美味しいのは敵も多い。けれでも、その季節季節で採れるものは、その季節のおいしさが詰まっていて、味に色に香りがワクワクさせてくれます。
今年も鹿皮なめしを開めました。
今年の夏に取った鹿三頭分も含めて、猟期の1頭目(初の雄鹿・3歳)の皮をなめします。
【第一日目】
冷凍していた三頭分を解凍し、皮についた余分な肉やスジを削り取ります。
今日はあまり時間がなかったため、1時間ほどで80%×3頭の肉を削り、防腐処理をして冷蔵庫に戻しました。
昨日捕った鹿の皮には、マダニが山ほどついていたので、軽く水洗いしてから防腐処理をして、冷蔵庫にいれます。
SFTSが怖いので、カチコチにしてマダニをやっつけてから、あらためて余分な肉を削ります。
【二日目】
木槌の柄について
先日、木頭の師匠から木槌の柄や作り方について、教えてもらいました。
・柄には、粘りがある木を使うこと。
・そして乾いても曲がらない部分を使うこと。
「この辺では、「そばの木」を使う」と。
・切ってから、10年くらい干しておくと一番いい。
・木の北側半分、かつ、皮(外側)に一番近い部分を使うと曲がらないし、強い。
(木の南側半分は、どんなに調整しても乾くと曲がってしまう)
・生木をある程度整形してから干すこと。
(乾いて切ると固くて、柄にするのが大変)
その時、木頭の師匠が、自分が弟子の時の話もききました。
「お前は頑張ってるな。この木(そばの木)の半分をやるから、お前も作ってみろ」と。
師匠がまだ弟子の時代に、自分の師匠に言われて、柄をつくってみたんだけれど、
「なんどやっても、どうしても曲がる」「なんどやっても、何日も掛けて削ってやってもダメだった」
師匠にそれをいうと、笑われて、
「そうだろう。お前にやったのは木の南側半分だ。おれも師匠にそうやられたんだよ」と。
それで、木頭の師匠も「そばの木の北側半分じゃないと曲がって使えないというのを覚えたよ」。
他にも、何年も干した木でも、良い部分・使える部分が少ないこと。
ヒノキも野ざらしにして、周りを腐らせて、芯の強い部分を使うことなどなど。
手間も技も知識も使い、時間も掛けて、はじめて木で何かが創られる。
なおかつ、急峻な山の中で、沢山の木を見て回って、作るものに最適な木を探すのは大変です。
すごい!!
そばの木の幹は椿に似ていますが、違う点は、木の皮がバリバリと裂けているところ。
あとは、結構幹が曲がっているので、真直ぐな部分が取れるのはほんの少し。
連日の空ハジキと梅ジュース
台風の影響もあって、連日の大降りです。
雨はワナや人の臭いを消してくれるので大歓迎なのですが、
一方で、くくり罠は空ハジキ(罠を動物が踏んでも、逃げていく)ばかり…。動物が罠を踏んでいるということでは、狙い通りなのですが、掛からない。
昨日の見回りでは、空ハジキが3つも!
(罠の数センチとなりを踏んでいたり、罠の直前で止まっていたりも)
原因は、いくつもありそうです。
一つは、小さい個体が掛かって逃げた(締めつけ防止金具で作った輪より細い足のため、罠から抜ける)。
これは、罠の周りの足跡や付近の草が倒れていたり、枝が折れたりしているので判断できます。
他には、踏板を動物が踏んでから、バネが飛び出すまでの時間差が大きくなる。
踏板を杉の薄い板でつくり、水糸で結んでいたため、糸が緩んでいたり、地中の
水分などで腐って外れていたり。そのため、板を踏んでも、踏板についている金具(トリッガー)が外れるまでに、時間差ができるのではと考えました。
そこで、踏板と金具を、しっかりネジで止めることに。
あとは、バネのねじれやワイヤーのよじれや癖。上手くばねが伸びあがらない。できるだけスムーズに輪が締まるように要確認。
そして、設置場所の工夫。
動物が踏んだ時に、しっかり体重が掛かる場所であれば、踏板を踏んで罠に気づいても、足をさっと抜けない。下り坂や飛び降りるところの足場などでワナを仕掛ける。(それでも逃げられるときもあるのだけれど..)
それから、罠を埋めるための穴をあけるとき、大きめに掘ってしまうと、近くを踏んだ時に地面が沈みすぎる。周りの地面より柔らかいなど、何かしらの違和感をあたえてしまう。もしくは、踏板の周りに広がる穴だけに足を踏み込み、逃げてしまうことも。
「でも、もっともっと山を歩いて、山を知らないとなぁ~」
そんなことを、先日漬けた梅ジュースを飲みながら考えていました。熟れた梅の色がでて、ほんのりピンク色です。ふふっ、うまい。
相生野生動物処理加工施設を見学!
那賀町にある「相生野生動物処理加工施設」を見学に行きました。
こちらは、中川修さんが経営されており、県下で2番目に「ハラール認証」もとっている処理場です。「阿波地美栄取扱店(販売店)」も隣接しています。
少し離れた敷地には、鹿、猪、イノブタの牧場もあります。
罠で取った生きた鹿を牧場で飼い、注文に応じて処理を行います。独自の血抜き方法や処理の仕方まで、誰でも美味しく食べられる工夫が盛沢山でした。
牧場の奥には、乳牛、和牛も。その奥の山(7反)を購入して、桜やモミジも植えていらっしゃいます。
地域で取れるものを無駄にせず、おから、もみ殻、筍の皮、木っ端、鋸屑などを飼料や環境整備に使用しています。
家畜(豚や牛)比べて、数十倍も栄養価の高い(*1)鹿肉を安く、多くの人に食べてもらうこと。そして皆が健康に、長生きしてほしい。なおかつ、地域で獲れる鹿の命も無駄にしないように。沢山の願いがこもった場所でした。
「失敗のない成功はないから」、「どこまで堪えられるか」、「人生は一度」、「たくさん泣いて、また笑えばいい」。
処理場のご説明だけではなく、沢山の事例紹介、中川さんのこれまでの生き方・考え方など、お話しいただいたこと全てが勉強になりました。
中川さん、お忙しいところ長時間にわたってご案内頂きまして、誠にありがとうございました。
(*1)ヘム鉄、パル三トレイン酸(インスリン感受性改善)、アラニン(肝機能改善)、シトルリン(筋力アップ、精力剤)、アンセリン(疲労回復、尿酸値降下)、アルギニン(疲労回復、成長ホルモン分泌)が家畜に比べて6~数十倍も含まれています。
シダ飛行機
キノコ狩りの合間に、シダで作った飛行機を飛ばします。
作り方は、
1)シダを折って、
2)葉っぱの長さを両側揃えるだけ、
あとは、飛ばせばOKです。