筋骨隆々の野犬?

一昨日の雄鹿を捕った後、雨が降りました。
雨の後は、そう。猪がワナに掛かりやすくなります。

楽しみにしながら山を上がっていくと、途中で首輪をつけた5㎏くらいの犬が、枝尾根のところでこちらを見つけ盛んに吠えてきます。
猟犬にしては小さくて、こちらを見ながらワナの方へ走っていきます。
「近くの家の人が放し飼いにしているのかな」くらいに思っていました。

そしてワナのところに行ってみると、筋骨隆々の野犬がくくり罠にかかっていました。
幸いにも、今朝方掛かったようで、足はケガもなく元気。

近づくと、おびえて歯をむき出しにして吠えてきます。

すぐにダウンジャケットを脱いで手元を隠しながら、ワナを仕掛けるために持ってきたスコップを左手に持ちます。
(噛まれたら、狂犬病が心配…。)

大きな動きや急な動きで犬をびっくりさせないように注意しながら、谷側へ犬を動かしてから、まずバネの下の留め金を緩めます。

あとはスコップの木の部分を噛ませて、(一度目は失敗。下に垂れたジャケットの袖の部分を噛まれました。二度目で成功)谷側へ頭を押してから、足のワイヤーを右手で緩めます。すると、犬は一目散へ谷側の方へ走り去っていきました。

5分も掛からず、「今回」は無事に助け出すことができました。

実は、小学3年生のころ似たような経験をしたことがあります。その経験が活きました。

ある夏の日、ギャーギャーという、凄まじい叫び声が道の下の方から聞こえてきます。
尋常じゃない声に驚いていってみると、そこには足を挟まれた猫がいました。
干上がった用水路に、誰かがトラばさみを仕掛けていたんです。

その頃うちの田舎では、野良犬や野良猫がたくさんいて、小学校の帰りに野良犬の群れのボスである”野良シェパード”に尻を噛まれた上級生もいました(ニュースにもなりました)。

その猫は、私を見ると口を大きく開けて、牙をむき出し、毛を逆立ててこちらを威嚇してきます。
近づこうとすると、暴れてさらに牙をむいて手がつけられません。
なだめても、距離を置いても、全然収まる様子もありません。
2時間以上粘って、何とか助けようとしたのですが、その時は諦めて帰ってしまいました。三日目に見に行くと、トラばさみは閉まったままで、何もいませんでした。

それから一ヶ月後に、その近くを歩いていると、左前脚の先が無いあの猫が歩いていました。

助かってよかったとホッとしたことと、助けられなかった痛さが心に残ったのを覚えています。
今回は自分が仕掛けた罠なので当たり前ですが、筋骨隆々の犬も躊躇なく、短時間で放せたので本当に良かったです。



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